スイスの民間防衛に学ぶ
- 作者: 原書房編集部
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2003/07/07
- メディア: 単行本
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スイスは永世中立国である。
草原が広がり、まさに「牧歌的」と言う言葉が当てはまるような、「アルプスの少女ハイジ」のような国家を大多数の人々は思い浮かべるだろう。
しかし、実はその想像とはかなり異なる。
スイスは、永世「武装」中立国なのである。
強力な武器を持ち、その強固な防衛力から「ハリネズミ国家」と称されることもある。
時計と同様、銃器の開発に関しても優れた技術をスイスは有している。
我が国の自衛隊、警察の一部も、スイスのSIG社製の銃器を使用しているほどである。
因みに、私も時計はRUMINOX、TAG HEUERと、ずっとスイス製を使用している。
さて、この本であるが、スイス政府が国土防衛のために、国民に配布した防衛のための教科書のような本だ。
書き出しの文を抜粋してみよう。
「この本は、わが国が将来脅威を受けるものと仮定して書かれたものである。
われわれが永久に平和を保障されるものとしたら、軍事的防衛や、民間防衛の必要があるだろうか。
すべての人々は平和を望んでいるにもかかわらず、戦争に備える義務から開放されていると感じる人は、だれもいない。
歴史がわれわれにそれを教えているからである。
スイスは、侵略を行うなどという夢想を決して持ってはいない。
しかし、生き抜くことを望んでいる。
スイスはどの隣国の権利も尊重する。
しかし、隣国によって踏みにじられることは断じて欲しない。」
この書き出しを見るだけで、スイスの戦争に対するリアリスティックな姿勢と、国土防衛に対する強固な意志が見て取れる。
それにひきかえ、我が国はどうか。
「えー、軍隊とかこわいし。いややし。」
そう考える若者は多いだろう。
かつては、そういう考えに対して「何を言う、軟弱者が!」と一方的に突き放していた。
しかし、そうするだけでは何の解決にもならないことに気付いた。
自分で言うのも何だが、私のように頑強な意志を持った人間、つまり真実に気付いた人間(また今度この事には触れる)もいれば、そうでない人間もいるのだ。
私はこういったブログなどを通して語りかける術を知った。
例え、少数の人間にしか見られることが無いとしても、それは意味のない事ではない。
全ての人に真実が伝わるまで、私は何度でも語りかける。
怖いと言って目を背けているだけでは、平和はやってこないのである。
平和は祈ったり、文面に綴ったりするだけでは、決してやってくるのではない。
平和のために、武器を取り、闘わなければならない時もあるのである。
当然と言えば当然であるが、その当然のことをしっかりと教えてくれるのがこの本である。
我々がスイスに学ぶべきところは大きい。
もう少し読み進めて、再び様々な問題提起を行っていく。