諜報活動は外交の原則

fury2005-12-29



上海領事館員 「遺憾な行為」で自殺 公安関与 政府、中国に抗議


 
 鹿取克章外務報道官は二十八日午後、緊急記者会見し、中国の在上海日本総領事館の男性館員が、中国側から外交機密に関する情報提供を強要されたとの遺書を残し自殺した問題について、自殺の事実を認めるとともに、背景に中国公安当局者が関与していたとの見方を示し、中国側に抗議したことを明らかにした。


 鹿取氏は、男性館員が昨年五月六日に自殺したことを認めたうえで、「背景には、現地の中国側公安当局関係者によるウィーン条約国の義務に違反するとみられる遺憾な行為があったと考えている」と言明し、中国側を批判。「事件発生直後から今日に至るまで、中国側に対し事実関係の究明と抗議をしている」と明らかにした。中国からの回答はないという。


 鹿取氏は、中国側による「遺憾な行為」や抗議の内容、日時、回数などについては「外交案件であり、遺族側の強い希望もある」として、詳細な説明を避けた。


 ただ、政府関係者によると、事件発生直後に当時の杉本信行・駐上海総領事、北京の日本大使館の堀之内秀久公使がそれぞれ抗議。今月十九日には中国に出張した泉裕泰中国課長、二十七日には佐々江賢一郎・アジア大洋州局長が電話で程永華臨時代理大使に抗議した。これに対し、中国外務省の秦剛副報道局長は二十七日の記者会見で「事実に基づいていない」と否定する見解を表明している。


 一方、安倍晋三官房長官は二十八日の会見で、「領事に対し脅迫、強要などを図ることは国際条約に反することであり、保護は義務づけられている」と批判。「報道以前に(外務省から)報告を受けていない」と、同省の対応に不快感も表明した。(産経新聞



狙われる日本外交官 共産圏、活発な工作活動



 政府は、在上海日本総領事館の男性館員が、中国公安当局による「遺憾な行為」によって自殺したことを異例にも認めた。「遺憾な行為」とは、端的に言えばスパイの強要などを意味するが、なおその真相はつまびらかではない。だが、旧ソ連や中国など共産圏では、日本の外交官などを狙った活発な工作活動が行われているとされ、今回の事件は「氷山の一角」(政府関係者)との見方も出ている。


 鹿取克章外務報道官の「遺憾な行為」との表現について、外務省筋は「中国側の対応を強く批判した異例な表現だ」と解説する。政府が、表向き「遺族の要望」や「プライバシー」を理由に、真相に立ち入ることを一切避けているなかで、精いっぱいの表現ということのようだ。しかし、真相をつまびらかにしない背景の一つとして、実際に中国側に何らかの機密情報が流れていた可能性や、男性館員が揺さぶりをかけられていたのではないか、との憶測を呼んでもいる。


 外務省や防衛庁は機密情報を扱うことから、工作活動の標的になるケースが多いという。


 共産圏では、こうした事件は過去にもあった。例えば、昭和五十七年、国家保安委員会(KGB)の機関員であるソ連紙の特派員が、米国議会で工作活動を証言し、多数の日本人エージェントを使って政治工作をしていた実態を暴露した「レフチェンコ事件」などがそれだ。


 中国も対外工作活動を積極的に展開しているとされる。今年五月、在シドニー中国総領事館で働いていた一等書記官がオーストラリアへ亡命申請し、雑誌のインタビューで、日本国内で活動している中国のスパイは千人を超えると証言。警察庁が昨年、警察法施行五十周年を記念してまとめた特集では、中国の情報収集活動について「機関員が前面に出ることなく、日本人エージェントなどを活用するなどの方法で、諸工作を展開している」と分析している。


 だが、今回のように、海外に駐在する日本の外交官にまつわる事件が表面化したのは、まれなケースだろう。


 こうした工作活動が語られるとき、「女性の影」が取りざたされることも少なくないようだ。北京でも日本の外交官が過激なサービスを行う店に出入りしたり、大使館ナンバーの車が深夜、スナックの入り口近くに長時間駐車されていることがあるという。中国では女性が同伴、過激なサービスをするスナックやカラオケ店が多数あるが、多くは公安、軍関係の後ろ盾があるとされる。たとえ自ら「違法行為」を犯さなくとも、その場にいただけで取り調べを受ける理由になり、「弱み」になるケースもあるという。


 今回の事件に関し、中国駐在経験のある元外交官は、首都の北京での勤務と、経済自由化の進む上海とでは「雰囲気が違う」と指摘し、開放的な上海市の空気による自覚の緩みが背景にあった、との見方を示しているのだが…。





これは中共の工作活動の常套手段なのだが、


遂に表面化してきたか、という感じだ。


詳細は記事の通りだが、


やはり、防げなかったか。


中共政府は外国の駐在員に、


このような工作活動を「積極的に」行っている。


しかし、そういった工作活動を受けている諸国と我が国では、


決定的な違いがある。


対外情報機関の不在−


これが非常に重要なファクターとなる。


そもそも情報も無ければ防ぐ方法も無し、


やられたい放題である。


国内に於いてもまた然り。


スパイ防止法の不在−


国内でもやられたい放題である。


一説には国内には中共のスパイが数千人単位でいるとも言われている。


前回のエントリの在日朝鮮人の話とも相俟って、


我が国は非常にまずい事態になっていると言える。


情報機関の設立、スパイ防止法の制定を急がなければ、


我が国の損失は甚大なものになる。


この事実は知っておいて頂きたい。


先進国の中で情報機関の無い国家は我が国だけである、ということを。



我が国の情報を身を挺して護った、


大使館員殿のご冥福をお祈りしたい。