孫子兵法

第六十四段「吾が間をして必ず探りて」

今回は「用間編」から、実際の諜報活動のさらに具体的な方法について。 「およそ攻撃したい軍隊や、攻略したい城邑や、暗殺したい要人については、必ずその軍隊指揮や城邑守備や要人警護などの任に当たる将軍や、左右の側近、謁見の取り次ぎ役、門衛、雑役係…

第六十三段「三軍の親は、間よりも親しきは無く」

再び用間編から。 ここでは、スパイを使用する際の「君主」 即ち政策決定者の心構えといったものが述べられています。 「そこで全軍のうちでも、 君主や将軍との親密さでは間諜が最も親しく、 恩賞では間諜に対するのが最も厚く、 様々な軍務では間諜の行う…

第六十二段「間を用うるに五有り」

用間編の続きです。 今回は、スパイの実際的な運用法について。 これが二千年前に既に考えられていたこと自体が驚きと言わざるを得ないでしょう。 それと比較すると、現在の我が国の実態は非常に問題があるということが自ずと見えてくると言えます。 「そこ…

第六十一段「敵の情を知らざる者は、不仁の至りなり」

ここからは、下にもありますが「用間」、つまりスパイの運用法についての検討です。いかに情報収集活動が重要なのか。いかに敵の情報収集活動を防止することが重要なのか。これについて考えていきましょう。 第十二章 用間編 ここでは「用間」、つまり間諜の…

第十三段「彼を知り己を知らば、百戦して危うからず」

本日はかの有名な、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。 様々な分野、ひいてはエンターテイメントの世界においてまで引用されるこのフレーズ。 じっくりと理解すれば、実生活にも役立つでしょう。 「そこで、勝利を予知するのに五つの要点がある。 …

第十段「上兵は謀を伐つ」

本日も孫子の続きを。「そこで軍事力の最高の運用法は、敵の策謀を未然に打ち破ることであり、その次は敵国と友好国との同盟関係を断ち切ることであり、その次は敵の野戦軍を撃破することであり、最も拙劣なのは敵の城邑を攻撃することである。城を攻囲する…

「戦わずして人の兵を屈する」

ご無沙汰しておりました。修士論文の執筆に当って、連載特集として「孫子兵法」を取り上げます。二千年の普遍性は、現代にも通用する原則。私も中国は大嫌いですが、まあ、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と孫子が述べるように、敵の戦略というのを学…